予定利率とは? 超低金利時代の生命保険について考える。

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保険 予定利率

予定利率とは? 超低金利時代の生命保険について考える。

予定利率とは? 超低金利時代の生命保険について考える。

皆さまは「予定利率」という言葉を聞かれたことはありますでしょうか?
生命保険の加入を検討しようとインターネット検索や資料、記事などを読むと「予定利率」という言葉がよく出てきます。〝利率”ときくと、それって金利のことかな?とつい考えてしまいがちですが、預金・貯金などでよく使用されるいわゆる普通の〝金利”とは明らかに異なるものになります。簡単にお伝えすると予定利率とは、契約者に対して保険会社が約束する運用利回りのことなのですが、ここでは昔の保険を見直す時にはぜひ知っておいてほしいこの「予定利率」に関して詳しく説明していきたいと思います。
保険の見直しを検討する際のご参考にしていただければ幸いに存じます。

1.3つの「予定基礎率」

保険は「相互扶助の精神」で成り立っています。これが他の金融商品と大きく異なっている保険の最大の特徴といってもよいかもしれません。相互扶助とは簡単に言うと「万が一の事態が起こっても経済的に困窮することがないように、多くの人が日頃から少額のお金を出し合って備え、その中から不測の事態で困っている人にお金を渡して助け合おうという考え方」です。
この保険の仕組み、助け合いの精神を効率的にうまく運営していくには、契約者全員が支払う保険料の総額と、受取人が受け取る保険金の総額を等しくする必要があります。もちろん実際には、保険会社が業務を遂行するためのさまざまな諸経費がかかっていますし、また、契約者から集めた保険料を資産運用したりもしています。そのため保険の収入と支出の関係は、以下の計算式のような構造になっています。

保険金(支出) × 死亡者数 = 保険料 (収入)× 契約者数
これを「収支相等の原則」といいます。

保険会社が保険料を決定する際には、これらをあらかじめ予測し、以下を設定します。

  • 「予定利率」・・・・・・・・運用利回り
  • 「予定死亡率」・・・・・・・性別・年齢別の死亡割合
  • 「予定事業費率」・・・・・・保険料や保険金額に対する諸経費の割合

この3つを「予定基礎率」といいます。

契約者が支払う保険料はこの3つの「予定基礎率」に基づいて計算されており、原則として保険期間中に変更されることはありません。

余談ですが、この保険の基本的な3つの予定基礎率について一定の理解があれば、「保険料が安くて、保障内容が良いお得な保険」という夢のような保険は基本的に存在し得ない、ということがお分かりいただけるのではないかと思います。保険料が安い保険には何かしら安い理由がありますし、逆もまた同じなのです。

生命保険にはさまざまな種類がありますが、中でも一般的に貯蓄性が高いといわれている終身保険、学資保険、個人年金保険などは、「予定利率」の水準によってどの程度お金が増えるかが決まります。予定利率が低いと、せっかく積立貯蓄のつもりで加入したのにお金がほとんど増えなかったり、場合によっては「元本割れ」をしたりすることもあるため注意が必要です。

2.予定利率とは?

保険会社は将来の保険金(死亡保険金や満期金など)の支払いにあてるため、契約者から集めた保険料の一部を積み立てていきます。そして契約者に約束した保険金を確実に支払えるように、さらには少しでも有利になるようにするために運用していきます。この運用によって得られる収益をあらかじめ予測して一定の利率で保険料を割り引きます。この計算に使用する利率を「予定利率」といいます。

2-1予定利率が高いと割引率も高くなり保険料は安くなる。

予定利率が高いほど保険料は割安になります。予定利率が高いということは運用で見込める利益が高いということを意味し、その分、保険料の割引という形で還元しますということをいっているようなものです。
これは掛け捨ての定期保険などでも同じことが言えます。
逆に、予定利率が低い保険は収益が低いと予定されていることになりますので、割引率も低くなり保険料は高くなります。

2-2予定利率が高いと満期時・解約時の返戻金の返戻率も高くなる。

予定利率が高ければ高いほど返戻率は上がっていきます。これはとてもシンプルな話ですが、予定利率は生命保険の契約者に対して保険会社が約束する運用利回りのことですから、運用利回りが高ければ高いほど、解約返戻金は運用されて増えていくので返戻率が上がります。
今では考えられない数値ですが、1980年代から1992年頃までの予定利率は5~6%ありました。それが現在は約0.25%になっていますので、単純に比較してしまうと20倍から24倍の予定利率の高さがあったのです。つまり昔に加入した貯蓄タイプの保険は現在の保険と比べると、とてもお金が増えて魅力的でした。世間ではこのような昔の予定利率の高い保険のことを、よく『お宝保険』などと呼んだりしています。

2-3標準利率とは?

予定利率は最終的には保険会社が各社の経営判断によって決定しますが、その時に各保険会社が参考にするのが「標準利率」と呼ばれるものです。

  • ・予定利率=保険会社が生命保険の契約者に対して約束する運用利回り
  • ・標準利率=金融庁が保険会社に対して設定している予定利率の目安とする運用利回り

「標準利率」は保険会社の健全性を確保するため1996年4月に新保険業法で施行されました。金融庁が国債の利回りを元に決めており、国債の利回りの低下に伴って標準利率も下落を続けています。そして最近では2017年4月に4年ぶりに引き下げられました。
現在はそれまでの1%から過去最低水準の0.25%になっています。

≪予定利率の推移≫

1976年~ 5.0%~5.5%
1981年~ 5.0%~6.0%
1985年~ 5.5%~6.25%
1990年~ 5.5%~5.75%
1993年~ 4.75%
1994年~ 3.75%
1996年~ 2.75%
1999年~ 2.00%
2001年~ 1.50%
2013年~ 1.00%
2017年~ 0.25%

近々貯蓄性の高い保険に加入しようと考えている方は、加入する前には複数の商品をよく比較、検討した上で、保障内容や貯蓄性と、保険料負担のバランスを見極めて契約したいものです。

3.予定死亡率

簡単にいうと、契約期間中に死亡する人がどれくらいいるのかということです。保険会社は過去の統計をもとに年齢・性別ごとの死亡者数を予測し、将来の保険金の支払いに充当するための必要額を計算します。
このときの計算に用いられる死亡率を予定死亡率といいます。

4.予定事業費率

保険会社の運営にかかる事業費の率のことです。
保険会社は新契約を募集するためのパンフレットやしおり、その他、様々な書面の作成、保険料の収納・契約の維持管理などいろいろな経費がかかります。これら運営上必要とする経費をあらかじめ保険料の中に組み込んでおり、この割合を予定事業費率といいます。

5.配当金とは?

ここまでみてきましたように保険料というのは3つの予定基礎率をもとに算出しているのですが、実際には当初の予定どおりの死亡者数や運用利回り、事業費になるとは限りません。
このように当初の予定と実際との間の差により余りが生じた場合に、剰余金の還元というカタチで契約者に分配されるお金のことを「配当金」といいます。
配当金の有無は保険契約によって異なります。ご自身の契約は配当がある保険なのか、配当が無い保険なのか、不明な場合はご契約のしおりや約款などを確認してみるとよいでしょう。

6.予定利率と預金金利は違う

誤解されている人もいるかもしれませんのであえて書きますが、生命保険の予定利率は、銀行等の預金の金利とは明らかに異なるものになります。
預金金利は、金融機関に預けたお金に対する利率ですので、預金額にそのまま利率を掛ければ計算できます。それに対して生命保険の予定利率は、契約者が支払った保険料から保険会社の諸経費を差し引いた額に対する利率です。つまり、預入額と保険料が同額で、金利と予定利率が同じでも、保険よりも預金のほうが金額は大きくなります。

わかりやすい例で考えてみましょう。

預金額 諸経費 金利 計算式 1年後の残高
1,000,000円
預金する
なし 1.00% 1,000,000円×101% 1,010,000円
支払保険料 諸経費 予定利率 計算式 1年後の残高
1,000,000円
一時払い終身保険に
加入する
10万円 1.00% (1,000,000円-100,000円)×101% 909,000円
※諸経費は、わかりやすくするための一例です

このように銀行等の預金の金利と、生命保険の予定利率が仮に同じ数値であったとしても、生命保険の場合は諸経費が差し引かれますのでこのような差が出ます。
予定利率1%と金利1%は全く違います。預金金利と保険の予定利率を数値のみで単純に比較してどちらが有利かを判断しないように注意しましょう。

7.結局どうすればよいのか?~超低金利時代の保険選びについて~

これまで見てきましたように、昔の保険の予定利率と現在のものとを比べてしまうと、絶望的な差が生じてしまっています。とはいえ、今それを嘆いても何も解決しません。昔加入したいわゆるお宝保険をお持ちの方はぜひそれを大切に続けていただければと思いますが、そういったものをお持ちではない人はどうすればよいのでしょう。

7-1利率が低いまま固定してしまうのを避ける。

生命保険は基本的に長期にわたって契約し続けるものなので、現在の低い水準の予定利率のまま固定してしまうのは出来るだけ避けた方が賢明です。そして将来、もしも市場の金利が上がってきたときにある程度連動して上がる仕組みを持っているものを選ぶのが一つの選択です。そうしておかないと将来「銀行のほうが金利は良い」「新しい保険がお得だ」というようなことにもなりかねません。
ではどのような保険を選んだらいいのでしょうか。ここでは考えられるものをいくつかピックアップしていきます。

7-2積立利率変動型終身保険

予定利率が低いまま固定してしまうのがだめだというのなら、変動するものを選択すればいいのでは?というのが一つ目の考え方です。この利率変動型の保険は、市場の景気に応じて利率が変動するものですので将来の金利の変動にある程度は対応できます。さらに市場の景気に応じて変動するので、インフレにもある程度は対応できる仕組みとなっています。注意点としましては、利率がどのような状態になれば変動するのかが保険商品によって異なっている点です。
例えば10年国債の過去数年間の平均利回りが上昇しないと変動しないもの、利率の見直しは10年毎にしかないものなどです。
このように世の中の景気に完全に連動してくれるとは限らない点は注意が必要です。
そもそもですが、インフレ(物価上昇面)では一般的には債権価格は下落傾向にあるものですので、国債を中心に運用しているこの保険が本当の意味でインフレ対策になるのかといえば、微妙なところではあります。

7-3外貨建ての保険

円建ての保険商品は、日本の国債を中心に運用していますので現在の予定利率が低い水準にあります。円建ての保険商品の予定利率が低いのなら、外貨建ての保険商品を選択するというのもひとつの解決策にはなります。アメリカやオーストラリアなどの国債は日本の国債より利回りが高いので、予定利率もそれだけ高くなります。予定利率が高いということは同じ保障なら外貨建ての方が保険料は安くて済みますし、返戻率も高くなりますので解約時の解約返戻金も円建てのものよりは多くなります。
ただ、円建ての保険と違い為替変動の影響を受けますので、為替リスクを理解した上で、最後は自己責任で選択する必要があります。

7-4変額保険

変額保険とは、契約者が支払った保険料の一部を保険会社が「特別勘定」で運用し、その運用実績によって将来 受取人がうけとる保険金や保険を解約した時に戻ってくるお金(解約返戻金)が増減する保険のことをいいます。具体的にいうと「国内株式型」「外国株式型」「外国債券型」などを組み合わせて運用します。いわゆる投資信託のようなものです。一般的には変額ではない普通の保険はリスクが無くて、変額保険はリスクがあると捉えられがちですが、この低金利時代に低金利の保険商品で固定してしまい、将来のインフレに対応出来なくなることも、ある意味ではリスクといえます。ずっと固定されてしまう商品とくらべ運用がうまくいけば増えていく可能性は高まりますので、予定利率が低い今のような時代には積極的に選択肢に入れても良いのではと思います。

まとめ

史上最低の0.25%という標準利率時代を迎えている現在、既に予定利率で保険を選ぶ時代ではないのかもしれません。実際に各社の保険商品を比較しても、どこの保険会社も大差がないというのが実態です。現在の保険選びでは予定利率は参考程度に留め、保険に貯蓄性を求めるのであれば、保険以外の手段も併せて検討すべきでしょう。むしろ保険の本質である保障やご自身の希望、ライフプランに基づいた保険を優先させたほうがいいのではないでしょうか。

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